解剖学者である養老孟司によると、「日本人は“ものにも魂が宿る”という考え方をし、ものを一緒に生きてきた仲間として見る傾向がある」らしい。そのため昔から不要になったものを単に捨てるだけでなく、供養してからお焚き上げしている。もともと供養とは尊敬の念から仏などに供物を献ずることなのだが、日本ではその概念が拡張され、対象が無生物にも及んでいる。これもアニミズムの一環なのだろう。
川崎にある琴平神社でも、成長を見守ってくれたお雛様や五月人形などに感謝し御霊を慰める祭儀である人形供養が行われている。訪れた時、ちょうどその時期だったようで境内の一画に多くの人形がお焚き上げされるのを静かに待っていた。無造作に並べられた人形たちは、それぞれが虚空を眺めていて、見ているとちょっと怖い。目鼻があるものだからだろうか。何か言いたそうにも見える人形たちを見ていると、供養せずに廃棄したら祟られると思う人が多いのもよく分かる。
2022年5月 神奈川 静物 | |
人形 川崎 神社 |
No
12267
撮影年月
2022年3月
投稿日
2022年05月16日
更新日
2023年08月13日
撮影場所
川崎 / 神奈川
ジャンル
静物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35