かつて豪農の邸宅だった古民家の縁側で、幼い女の子がくつろいでいた

古民家の縁側でくつろぐ女の子
古民家の縁側でくつろぐ女の子
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日本民家園に入ってすぐに建っている原家住宅は、かつて川崎市中原区小杉陣屋町(今の鉄道駅でいうと東急東横線の新丸子駅の近く)にあった豪農の居宅を移築したものだ。肥料問屋から出発し、米問屋、味噌屋、醤油屋、油問屋と商いを広げていった原家の財力を感じさせる立派な檜造りの建物だ。使われている木材は自家所有の山から切り出したものだというから、原家は山林も所有していたようだ。

100年以上前の1911年に建てられた家屋には伝統的な日本家屋の特徴が認められる。間取りが漢字の田の字型になっていたり、家の外とも中とも言えない曖昧な空間である縁側が設けられていて、想像する田舎にある本家の家のよう。

座敷の横にある縁側にやってくると、小さな先客がいるのが見えた。幼い女の子がピカピカに磨かれた縁側の上に腰を下ろして、じっと外を眺めていた。何を見ているのか分からなかったけれど、じっと見ているから面白いものが見えるのだろう。

女の子が立ち去った後、同じ場所から同じ方向を見てみると、そこにはキモンサマがひっそり建っていた。キモンとは鬼門のこと。鬼門除けに建立された祠だ。幼い女の子が食い入るようにじっと見ていたのを思い合わせると、単なる祠だけ見ていたのではないような気がしてしまう。女の子には祠らだけでなく祠によって封じ込まれているものも見えていたのかもしれない。そんな気がした。

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ENGLISH
2021年10月 神奈川 人びと
廊下 薄暗さ 女の子 川崎 博物館・美術館 リラックス

PHOTO DATA

No

12068

撮影年月

2021年4月

投稿日

2021年10月23日

更新日

2023年08月17日

撮影場所

川崎 / 神奈川

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

ZEISS BATIS 2/40 CF

日本国内で撮影した写真

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