中山法華経寺には国の重要文化財に指定されている建造物が数多くあるけれど、僕が特に惹かれたのは重要文化財に指定されていない「聖教殿」という建物だった。祖師堂の脇を通り、寳殿門を抜けて進んでいくと姿を現す聖教殿は、他の建築物とは少し異なる雰囲気を持っている。まるで屈強なチェスの駒のような形をした倉庫なのだ。しかし、ただの倉庫ではない。聖教殿は、国宝に指定されている日蓮聖人の遺品を後世に伝えるために造られた頑丈な宝蔵なのだ。つまり、聖教殿自体は重要文化財に指定されていないものの、内部には国宝に指定された貴重な品々が数多く保管されていることになる。
聖教殿は、耐震性や耐火性を考慮して建てられており、どんな災害にも屈しないだろう。もしかすると、核戦争のような世界の終焉にも耐えて、貴重な異物を保管し続けることになるかもしれない。そんなシュールな状況が実現したら、人類は既に滅亡しているのに、かつて日蓮聖人が時の最高権力者に提出した文書は残り続け、いつかどこからかやって来る知的生命体によって再び読まれる日が来るのをじっと待つことになる。そう考えたら、ちょっとワクワクした。
2023年6月 建築 千葉 | |
市川 倉庫 寺院 木 |
No
12504
撮影年月
2023年2月
投稿日
2023年06月08日
更新日
2023年08月07日
撮影場所
市川 / 千葉
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF