今では寂しげな雰囲気が漂う駒込にある吉祥寺も、かつては賑やかな時代もあったようだ。江戸時代、ここには旃檀林と名付けられた仏教の研究と漢学の振興とそれらの人材供給を目的とした学寮が設けられていて、幕府の学問所「昌平坂学問所」と並らぶ漢学の一大研究地だったのという。
一大研究地だっただけに境内も七堂伽藍を誇っていたのものの、東京大空襲でほとんどの建造物は焼け落ちてしまい、今でも残っているのは山門と経蔵だけなのだそうだ。
写真の建造物はその経蔵だ。経蔵とは仏教寺院における建造物(伽藍)のひとつで、その字が示している通り、経典や仏教に関する書物を収蔵するもの。平たく言うと書庫だ。ここに旃檀林の所蔵する書物が保管されていたのだ。
研究する場所に書物が備え置かれているのは、今も昔も同じだ。今だって研究機関兼教育機関である大学に行けば図書館があって、大量の書物が所蔵されている。大学図書館と比べると、この経蔵はちょっと小さいように思えてしまう。仏教に特化しているとはいえ、所蔵していた書物は少なすぎやしないのだろうか。それとも仏教の経典はこれくらいの大きさの書庫があればコンプリートできてしまうようなものなのだろうか。
2021年7月 建築 東京 | |
駒込 倉庫 寺院 木 |
No
11959
撮影年月
2020年12月
投稿日
2021年07月06日
更新日
2023年08月21日
撮影場所
駒込 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF