写真の石造りの建造物はタ・プロームで、アンコール遺跡群のひとつだ。アンコールにはヒンドゥー教寺院と仏教寺院があるのだけれど、タ・プロームはもともと仏教寺院として建立され、その後にヒンドゥー教寺院に改修されたのだという。
建物はガジュマルに侵食されて、押し潰されてしまいそうになっている。他の遺跡は近年着々と修復されているが、この遺跡は現状のまま保存されることになっているらしい。圧倒的な自然の力に破壊されていく建造物をそのままにするのも、保存の一形態なのだ。
境内に入ってガジュマルの木に潰されそうになっている寺院を目の当たりにすると、諸行無常を感じる。このままだと、そのうちに自然に飲み込まれてしまうのは姿も本質も常に流動変化するものであるとする仏教の寺院として相応しいような気がした。
2005年8月 建築 カンボジア | |
アンコール遺跡群 寺院 木 世界遺産 |
No
148
撮影年月
2000年8月
投稿日
2005年08月17日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
アンコール遺跡 / カンボジア
ジャンル
建築写真
カメラ
CANON EOS KISS