東照宮というと、世界遺産にも登録されている日光にある東照宮を思い浮かべる。でも東照大権現たる徳川家康を祀っている神社は、日光以外にも予想以上に日本のあちらこちらに建っている。北は函館から南は長崎まで、全国東照宮連合会によるとおよそ50の神社が東照大権現を祀っている。
川越にある仙波東照宮もそのひとつで、公式ホームページによると「日本三大東照宮」のひとつでもあるのだそうだ。しかしながら本宮である日光東照宮、家康の御遺体を祀る久能山東照宮に自らの神社を加えて日本三大東照宮と称する東照宮は多い。そのため「日本三大東照宮」というフレーズだけを耳にすると身構えてしまう。単に自らの神社を由緒あるように誇張しているのではないかと勘ぐってしまうのだ。この仙波東照宮はどうなのだろう。日本三大東照宮の称号に相応しい東照宮なのだろうか。
この地に東照宮を建立したのは上野にある寛永寺を開山したのと同じ天海だ。没後、いったんは静岡県の久能山に葬られた家康が日光に移葬される途中にこの地にしばし留まり、その際に天海が丁重な法要を厳修したという。天海が法要を行われたお堂に家康の像を祀ったのが東照宮の初まりなのだそうだ。
その後、徳川家光の命により、鮮やかな本殿・唐門・瑞垣・拝殿・幣殿・随身門・石鳥居が建てられて今に至っている。将軍の命で建造物が建てられるくらい、ここ仙波東照宮は由緒正しい。個人的には「日本三大東照宮」を名乗る資格が充分にあると思う。ただ気を付けなければならないのは、この本殿や唐門などを見学できるのは日曜日と祝日だけだということ。土曜日にやって来てしまった僕はしっかり閉じられた門の外から首を伸ばして覗くことしかできなかった。
2022年5月 町角 埼玉 | |
門 川越 神社 階段 |
No
12263
撮影年月
2022年3月
投稿日
2022年05月12日
更新日
2024年07月09日
撮影場所
川越 / 埼玉
ジャンル
静物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35