久能山下から東照宮へ続く参道は見事なつづら折りになっていた

海沿いから山を登れば、海の眺望も楽しめて一挙両得と思ったのがそもそもの間違いだったのかもしれない。まず静岡駅から登山のスタートとなる久能山下へ向かう公共交通手段が乏しい。マイカーを持っていない僕にはとても行きにくい。さらに標高216mの久能山を登る道中は見晴らしが良く、駿河湾の景色を楽しめるのかと思っていたけれどそうでもない。駿河湾は一応見えるものの、登山道には木々が生い茂っていて眺望はよくない。その結果、僕は途中で眺望を楽しむために足を止めることもなく、頂上にある久能山東照宮に向かって1,159の石段を黙々と登っていく羽目になった。ちょっとした罰ゲームだ。

公式サイトによると、登山に要する時間はたった20分程度。でも長く感じる。登山道の作られている斜面は傾斜が急で、道はつづら折りになっていた。少し進むと踵を返して方向転換する。教科書に載せたくなるような見事なつづら折りだ。つづら折りの欠点は、すぐ近くに見えて、すぐ辿り着けそうな気がするものの、実際にはまだ距離があること。すぐ頭上に見えるけれど、そこに至るには何段もの石段を登らねばならない状況に、僕の頭は混乱していた。

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