当たり前のことだけれど、仏教の教えが今現在でも広く流布しているのは、開祖ガウタマ・シッダールタに弟子がいて、その教えを後世に伝えてきたからだ。いくらガウタマ・シッダールタが天才的な宗教者であっても、その教えを受け継ぐものがいなければ仏教はとうの昔に消滅してしまっていたことだろう。
インドの仏典によると、ガウタマ・シッダールタには500人の弟子がいたのだという。この人数はブッダに付き従っていた者の数であるという説と仏滅直後の経典編纂に参加した者の数であるとする説があるものの、いずれにしても多くの信奉者がいたのだ。人脈の限界を150人とする「ダンバー数」が本当だとすると、ガウタマ・シッダールタでも把握しきれていないくらいの大人数だ。
川越にある喜多院の一画には、その500人の弟子を信仰の対象とした五百羅漢像が安置されている。数多くいた弟子の姿を表した像が並んでいるのだ。羅漢像の中には真面目な顔をしている羅漢がいるのはもちろんのこと、泣く羅漢も、怒る羅漢も、ヒソヒソ話をする羅漢もいて、見ているとやかましく感じるくらいだ。その表情を眺めていると、五百羅漢なのに538体の像があるのも単なる愛嬌なのだと思えてくる。
2022年5月 埼玉 静物 | |
川越 像 寺院 |
No
12262
撮影年月
2022年3月
投稿日
2022年05月11日
更新日
2023年08月13日
撮影場所
川越 / 埼玉
ジャンル
静物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35