川越の駅からちょっと離れたところにある一番街は賑わっていた。ここは小江戸と呼ばれる古い町並みが残っていて、多くの人が散策に訪れる人気スポットだ。蔵造りと言われる建物が道路に沿って並んでいる姿は圧巻だ。まるで古い時代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えてしまいそうになるけれど、大丈夫。土蔵造りの前をひっきりなしに通り抜ける自動車たちの群れがそう簡単に自我を失わせてはくれない。
蔵造りは外壁を土壁として漆喰などで仕上げた高い耐火構造を持つ建造物だ。もともとは江戸の町家形式として発達したものが川越の町並みに採用されたのは、ひとえに1893年に起きた大火のためらしい。町域の3分の1を焼失してしまった大火を契機として、高い耐火機能を持つ蔵造りで町を再建したためだという。
そうなのだ。勝手に蔵造りの町並みは江戸時代に作られたものが残っているのだと思っていたけれど、実際にこの町並みが作られたのは明治になってからのこと。確かに1893年といえば100年以上前のことで、十分古い。けれど小江戸と呼ぶにはそれほど古くないのではないだろうかとひとりごちてしまうのだった。
2023年2月 町角 埼玉 | |
扉 ガラス 川越 歩行者 反射 屋根 |
No
12440
撮影年月
2022年10月
投稿日
2023年02月03日
更新日
2023年08月09日
撮影場所
川越 / 埼玉
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF