浄名院を出て道路を渡ると、そこはもう寛永寺の境内だった。子院である浄名院と本寺である寛永寺は道路を挟んで隣り合っている。訪れた時、寛永寺では何かしらの行事が行われていたようで、本堂である根本中堂には五色の仏旗が掲げられ、回廊には板塔婆が並べられていた。彼岸の儀式が行われていたのだろう。
日本ではお彼岸にお寺にある先祖の墓にお参りをするのが一般的だけれど、これはもともと仏教の習慣ではない。仏教にはもともと先祖崇拝という概念はない。輪廻転生することになっている仏教ではご先祖様は姿を変えてどこかにいるはずでお墓はいらない。ところが中国を経由して仏教が伝来した日本では、儒教の影響を受けて先祖崇拝も仏教の一要素になっているのだ。
寛永寺の境内にはお墓参りに訪れたと思しき正装した人びとがいた。寛永寺はかつて徳川将軍家の菩提寺でもあった由緒ある寺院だ。正装している人たちの中には将軍の末裔もいたのかもしれない。
2019年9月 町角 東京 | |
旗 お堂・ホール 寺院 上野 |
No
11204
撮影年月
2019年3月
投稿日
2019年09月22日
更新日
2023年10月27日
撮影場所
上野 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA