ただでさえ賑わっている浅草の街がさらに賑わうときがある。三社祭のときだ。このときは盛り上がる祭りの様子をひと目見ようと普段よりも大勢の人がここ浅草にやってくる。そして、鈴なりになった道を神輿が進んでいくのだ。
神輿は祭りの主役と言っていいだろう。見物客のほとんどは目に見えない神様を乗せた神輿を見にやってくるのだ。しかしながら神輿が街を練り歩くのは一年の中で経った数日。それ以外に神輿の出番はない。倉庫かどこかでじっとしているに違いない。そう思いながら銀座線の浅草駅にやってくると、駅構内の一角に神輿が展示されていた。
ガラスの向こうに金ピカの神輿が置かれている。三社祭の際に実際に使用される本物の神輿だ。細かな装飾が施されていて美しい。どうやら出番のない期間はここでひっそり展示されているようだ。改札のすぐ近くで展示されているのにもかかわらず、神輿の前に足を止めて眺める人は少ない。人びとが見たいのは、喧騒の中、浅草の街を練り歩く神輿であって、博物館のように展示されている神輿ではないらしい。
2021年6月 静物 東京 | |
浅草 神輿 反射 駅 |
No
11940
撮影年月
2020年10月
投稿日
2021年06月17日
更新日
2023年08月22日
撮影場所
浅草 / 東京
ジャンル
静物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF