様々なモチーフを用いて造園されている小石川後楽園で、通天橋の下を流れてきた水流は大堰川と呼ばれている。大堰川とは京都を流れる桂川のことで、その流域によって呼称が異なる面倒くさい川だ。上流では保津川、嵐山付近では大堰川と呼ばれ、下流に進むと鴨川になり、最終的には宇治川と合流して淀川になって大阪湾に注いでいる。小石川後楽園で鴨川でもなく、保津川でもなく、大堰川と名付けられているのはその辺りを嵐山に見立てているからだろう。実際、小石川後楽園の大堰川に架けられている橋も、嵐山を象徴する橋である渡月橋と同じ名前だ。
僕は嵐山周辺の大堰川を実際に訪れたことがないため、実際の大堰川と小石川後楽園にある大堰川の雰囲気が似ているのかどうかは判断できない。ただ分かるのは、巨大な岩はないものの、そこそこ大きな石が川底に配置されているので、模しているのは川の下流でも中流でもなく、上流に近いところであるということだけ。そう考えると、もうちょっと川の流れに勢いがあっても良さそうな気がしたけれど、ここは実際の風景を模した箱庭だ。リアリティを求めすぎてはいけないのだ。
2023年6月 町角 東京 | |
橋 庭園 後楽 反射 河川 岩 女性 |
No
12508
撮影年月
2023年2月
投稿日
2023年06月15日
更新日
2023年08月07日
撮影場所
後楽 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF