青松寺が現在鎮座している愛宕に移ってきたのは徳川家康が江戸城の外堀を作った1600年のことというから、400年以上もの年月が経過している。移転してきた時と比べると、周囲の様子は劇的に変化していて、山門で睨みを効かせている四天王が目にする光景も時代とともにかなり移り変わっている。
山門に鎮座している四天王像を覗き込むと、保護用のガラスに山門の向かいにあるバス停とそこに掲げられている広告、バス停の向こうにそびえるビルが映り込んでいた。四天王に見えている光景に映っているのは、どれも青松寺が創建された時代にはなかったものだ。スマホを持っていない四天王は、このような時代の流れについていけているのだろうか。それとも、分からないのにいかつい表情で誤魔化しているのだろうか。
格好や持ち物から判断するに、後者のような気がしてならない。なにせ世の中は移り変わっているのに、四天王のアトリビュートは何も変わっていない。21世紀になっても時代錯誤の甲冑を身に着け、巻物や宝塔を手にしている。時代の趨勢に応じて、四天王も衣替えをしてもいいのではないだろうか。もっともアトリビュートを変更すると、時代が経た後にそれが四天王だとわからなくなってしまうかもしれないけれど。
2023年10月 町角 東京 | |
広告 愛宕 手 反射 |
No
12530
撮影年月
2023年4月
投稿日
2023年10月07日
更新日
2023年10月08日
撮影場所
愛宕 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85