穏やかな空気が漂っていた寿福寺と同じように、すぐ近くにある英勝寺にものんびりした空気が漂っていた。でも英勝寺は寿福寺とは異なり、境内を拝観できる。拝観料を払い、僕はのんびりした境内に入っていった。
入ってすぐに不思議に思うのは拝観料を払うところが仏殿の背後にあること。拝観料を払うとまず目に入ってくるのが仏殿の後ろ姿で、仏殿を横目で見ながら進んでいくと山門が現れる。普通の場合と順序が逆なのだ。山門近くにも寺院への入り口があるものの、こちらは扉が閉じられていて使用されていない。おそらくは拝観料徴収の便を考えてのことなのだろうけれど、先に仏殿が現れて次に山門が現れると、単純に僕は山門の方が主役であるような錯覚を覚えてしまう。
英勝寺の仏殿は国も重要文化財にも指定されているような立派なものなのだけれど、山門だって負けてはいない。こちらも重要文化財に指定されていて、水戸黄門の兄で高松藩主だった松平頼重により造営されたものだ。門の下に立って上を見上げると、ポップな書体で書かれた扁額が見える。その都会的な軽やかさとは裏腹に後水尾上皇の宸筆なのだそうだ。400年くらい前に書かれたものにしては、とても現代的に見えた。
2022年3月 神奈川 静物 | |
漢字 門 鎌倉 扁額 寺院 |
No
12202
撮影年月
2022年1月
投稿日
2022年03月12日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
鎌倉 / 神奈川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35