鎌倉には多くの神社仏閣があるけれど、観光客が大勢訪れるところとそうでもないところは結構はっきりと分かれている。鶴岡八幡宮や長谷寺、大仏のある高徳院にはいつ訪れても大勢の参拝客の姿がある一方で、それほど名の知れていない神社仏閣は閑散としていることも多い。この日にやってきた寿福寺は後者だった。横須賀線の線路のすぐ脇にある山門の前に立ち止まっても、参拝客の姿はひとりも見当たらない。
もっともただ単に閑散している寺院と書いてしまうと誤解を招いてしまう。ここ寿福寺は一般公開されていないため、たとえやってきても境内を拝観することは叶わない。だから参拝客がやってこないのも仕方がないのだ。
一般公開されてもいない寺院にわざわざやってきたのは、境内に足を踏み入れられないものの、閉じられた中門までの参道が美しいと聞いたからだった。線路脇にある山門を抜けると、木々に挟まれた石畳の参道が伸びている。確かに美しい参道だ。緩やかな坂の上に中門が小さく見える。この中門までは誰でも入っていける。僕も行ってみた。首を伸ばして中門の中を覗くと、また参道を下って山門から中門を眺めてみる。
僕と同じように考える人は多いようで、参道を眺めていると時折参拝客が中門まで登っていき、しばらくすると戻ってくる。みな同じように上下運動する。坂道を上下に動く軌跡を眺めていると、箱根登山ケーブルカーを思い起こした。
2022年3月 町角 神奈川 | |
参道 鎌倉 坂道 石畳 寺院 |
No
12201
撮影年月
2022年1月
投稿日
2022年03月11日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
鎌倉 / 神奈川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35