歩いていたのはヤンゴンにあるチャイナタウンの中だったものの、あちらこちらに赤い提灯が掲げられているわけでもなく、散歩しているだけではあまりチャイナタウンという雰囲気は伝わってこない。それでも、見渡してみると建物の入口の上に漢字で書かれた扁額が掲げられていた。立派な字で「始平館」と書かれていて、それがこの建物の名前のようだ。それにしても、中国文化では(その影響を受けた日本文化でも)公共の建物でもないのに建物の名前を大きく書いたものを入り口の上に飾るのだろう。マラッカのチャイナタウンでも、公共の建物でもないのに玄関先に大きな扁額が掲げられている家があった。
この建物も公共の建物ではなく、食堂などの商業施設でもないように見える。それでも立派な扁額が掲げられていた。書かれている「始平」とはかつて5世紀から6世紀にかけてモンゴル高原を支配していた柔然という国が使用していた元号らしい。わざわざ建物の名前にするくらいだから、古い元号というだけでなく何かしらの意味が込められてるのだろうけれど、それはよく分からない。この館から平穏なものが始まるようなイメージなのだろう。もしかしたら、この建物は道教か何かの寺院だったのかもしれない。
困ったことに、謎めいたものは扁額だけではなかった。よく見てみると、扁額の上に一羽の雌鳥が静かに止まっている。猛々しく見えるから闘鶏なのかもしれない。ここが何かしらの寺院だとしたら、これは神の使いかもしれない。
ちなみに、鶏は天照大御神が天の岩屋戸に隠れた際に鳴声をあげて再び光を取り戻す役割を担ったことから、伊勢神宮の神使とされている。
2018年11月 動物 ミャンマー | |
鶏・鶏肉 漢字 扉 扁額 ヤンゴン |
No
10795
撮影年月
2018年9月
投稿日
2018年11月13日
更新日
2024年01月26日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA