ミャンマーのチャウタンにあるイェレー・パゴダで撮影。
ボートはあっという間に仏教寺院が建つ中洲へと辿り着いた。僕はボートを降り、中洲へと足を踏み出す。ここは中洲全体が寺院になっていて、一旦中に入ってしまうと、そこではもう中洲らしさはあまり感じられない。ミャンマーの他の寺院の境内を歩いているのと変わらないのだった。そして、境内にはあまり参拝客がおらず、静まり返っている。
ここイェレー・パゴダも、他の寺院と同じように幾つものお堂が建てられている。そして、どのお堂の中にも参拝客の姿がちらほらとあるのだ。結果として、余所者である僕にはどのお堂にある仏像が最も霊験あらたかなものなのか判断するのは難しい。もっとも、このような場所をランク付けすること自体がおこがましいことかもしれないけれど。
境内をウロウロとしていると、水辺にやって来た。階段が川の中へと伸びている。そして、水際にひとりの男が川の方を向いて立っていた。川にお供え物である花を流し終えると、男は両手を合わせてお参りをし始めた。ここには仏像も何もないけれど、神聖な場所のようだ。男の向こう側には別の仏教寺院が黄金に輝いているのが見える。ここでは、タイやラオスと同じように仏教寺院が金色に塗られるのが普通だ。日本人の僕にはちょっと派手すぎやしないかと感じてしまうけれど、ここではそういうものだと相場が決まっているのだった。