波止場を後にして再び目抜き通りへと戻る。そして、町の中心部から離れるように目抜き通りを歩き始めたのだった。進み始めると、すぐにお店の数も歩いている歩行者の数もぐっと減ってくる。目抜き通りはあっという間に長閑な田舎の道の様相を呈してきた。それでも道端には自転車タクシーが何台も停まっていて車夫が客待ちをしている。波止場から来た人を目当てにしているのだろうか。写真の男もそんな長閑な道路脇で客を待っていた車夫のひとりだ。
男は愛車のサドルの上に腰を下ろし、じっとスマホをいじっている。時間を潰すのにスマホは格好のアイテムだろう。自転車タクシーのペダルを漕いでいるよりもずっと楽しいに違いない。でも、スマホをいじっているだけでは残念ながらお金にはならないから、客を探さねばならないはずなのに、男は僕が近づいても僕に目を向けることはなかった。ずっとスマホを画面をみつめたままだ。この様子だと、せっかくの商売のチャンスもふいにしてしまうのではないかと心配になってしまう。
No
10979
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年04月19日
撮影場所
チャウタン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA
モノクロの写真を108枚掲載。もちろんKINDLE UNLIMITEDでも読めます。