市場から離れて歩いていくと、また波止場があった。市場の横に設けられていたのよりもずっと規模の大きな波止場だ。コンクリート製の桟橋が川の中に向かって真っ直ぐに伸びていて、脇には船が着岸している。これらの船は川を渡る渡船のようだ。出港の時間が来るのを待っているのだろう。どの船の上にも荷物を幾つも抱えた乗客の姿が見える。
その船のひとつの上に男がじっと腰を下ろしていた。そして、男の向こうには遠くに黄金に輝く仏塔が見える。川の中州に建てられたイェレー・パゴダだ。
ヤンゴンに建つ著名な仏塔と同じようにこの仏塔も古い歴史がある。一説によると、紀元前3世紀に創建されたのだという。僕もついさっき訪れたばかりだ。でも、ここの波止場に停泊している船はどれも仏塔のある中州には向かわない。ここは参拝客を乗せるための波止場ではないのだ。ここの船が結んでいるのは聖域ではなくて、目の前を流れる大きな川の反対岸にあるどこか別の俗世間なのだった。
2019年4月 町角 ミャンマー | |
ボート 帽子 チャウタン 男性 河川 ずだ袋 船 仏塔 |
No
10976
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年04月17日
更新日
2024年01月14日
撮影場所
チャウタン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA