エラワン廟にはいつ来てもお参りしている人の姿がある

エラワン廟の参拝客

エラワン廟は地元の人に大変人気のある廟で、参拝客が途切れることはない

タイのバンコクにあるエラワン廟で撮影。

高級ホテルの敷地の端に小さな祠が建っている。エラワン廟だ。国内にはイスラム教徒もいるけれど、タイ国民の大多数は仏教徒でタイは仏教国とされている。にもかかわらず、ここに祀られているのは4つの顔に4本の腕を持ったヒンドゥー教の創造神であるブラフマーだ。ちょっと不思議。

確かに仏教はヒンドゥー教に対するカウンターカルチャーのようにして始まったものだからヒンドゥー教と関係は深い。日本でもブラフマーは梵天という名前で仏教の守護神の中に取り込まれているくらいだ。でも、何故首都のど真ん中にブラフマーを祀った祠が設けられているのかはよく分からない。ゴータマ・シッダールタでは役不足だとでも思ったのだろうか。

いずれにしても、ここエラワン廟は地元の人から厚い信仰を集めている。狭い境内の中央には黄金のブラフマー像が安置されていて、ひっきりなしに参拝客が訪れている。周囲にはお供え物でいっぱいだ。写真に写っている女性たちもちょうど黄金の像に向かってお祈りをしている最中だった。

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エラワン廟ってどこ?

タイではなぜバラモン・ヒンドゥー的要素をよく見かけるのだろうか?

一般的にタイというと仏教国といわれることが多い。実際、人口の約95%が上座部仏教だというし、王宮の横には王族専用の仏教寺院も併設されている。でも、注意深く町を歩いていると予想に反してヒンドゥー教的な要素もよく目にするのだ。この写真を撮ったエラワン廟もヒンドゥー教の神様であるブラフマーを祀ったものだ。このような宗教的な共存状態には「神王思想」というものが深く関わっているのだという。

神王思想とは国王がヒンドゥー教の神であるシヴァ神もしくはビシュヌ神の化身とする考え方だ。クメール文化からの影響でタイの支配層も王権を正当化するためにこのような理論を構築したらしい。日本では古事記や日本書紀において天皇がアマテラスオオミカミの末裔であるとするのと似たような考えだろう。

そのため、政府や政府のシンボルとしてヒンドゥー教の神々が用いられている。王室の神聖性を高めるだけでなく、さらにはヒンドゥー教の神々は土着化し、一般庶民の願い事を受け入れるものとしても機能している。その結果、町を歩いているとバラモン・ヒンドゥー的要素をしばしば見かけることになるのだ。

PHOTO DATA

No

11320

撮影年月

2019年9月

投稿日

2019年12月13日

撮影場所

バンコク / タイ

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA

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