広いクロントゥーイ市場では、肉屋が集まっているエリアも広かった。どの肉屋の前にも大きなテーブルが出ていて、その上が売り物の肉で埋め尽くされている。どこまでも肉が陳列されている光景は圧巻だ。僕の目の前にあるテーブルにも、大量の鶏もも肉が山積みになっていた。
大量の鶏肉とそこで働く人びとを眺めながら歩いていると、男がやって来て僕の前に立ちはだかった。物見遊山の僕と違って、男は肉を買いに来た客で、険しい顔付きで店員に注文をし始めた。
店員が商品を用意し終えると、男はポケットからお札を取り出して、手を伸ばして店員に渡そうとしている。その一方で、もも肉が入ったビニール袋を手にした店員は視線を落としたままだ。なんだか客の剣幕に圧倒されてしまっているかのようだ。
僕はふたりの横に立って一部始終を見ていた。でも、なぜ客の男が険しい顔をしながらもも肉を買っているのかは最後まで分からずじまいだった。店員に舐められたらいけないとでも思っていたのだろうか。
2020年2月 人びと タイ | |
バンコク 肉屋 鶏・鶏肉 店員 客 クロントゥーイ市場 市場 険しい顔つき |
No
11405
撮影年月
2019年9月
投稿日
2020年02月17日
更新日
2023年09月11日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III