迪化街にあるこの食堂も、他の店と同じように営業を始めていた。店先にはテーブルと椅子が並べられているが、そこに客の姿は見当たらない。その代わりに、二人の女性店員が腰を下ろしていた。客がいないせいか、暇そうに見える。二人はテーブル越しに何やら話し込んでいるようだった。
向かい側に座っている女性の表情が目に留まった。浮かない顔をしている。まるで、今にも泣き出しそうな気配だ。その様子は見ているだけで、こちらまで少し落ち着かない気分になる。
店頭にはどこか物憂げな空気が漂っていた。それは彼女の表情のせいなのかもしれない。そんな雰囲気が、この店に客が入ってこない理由の一つなのだろうか、と僕は勝手に想像してみた。でも、本当の理由が何なのかは分からない。ただ、この静かな空間に、そんな気配があるのは確かだった。
2017年6月 人びと 台湾 | |
エプロン 店員 レストラン 店頭 台北 |
No
10164
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年06月03日
更新日
2024年11月30日
撮影場所
台北 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA