歩いていると、大きなカゴが幾つも置いてある売り場に来た。カゴに何羽もの生きた鶏が入れられている。ここは生きた鶏を売るエリアだ。クロントゥーイ市場には、手羽とかモモ肉とかレバーとか、切り身になった鶏肉が売られているエリアとは別に生きたままの鶏が売られているエリアもあるのだ。
よく見てみると、生きた鶏が入ったカゴのすぐ横に丸焼きになった鶏肉が置かれている。カゴの中にいる鶏たちもそう遠くない将来、同じ運命を辿るのだろう。もし自分だったら発狂してしまいそうな状況だけれど、カゴの鶏は暴れることもなく、穏やかにカゴに入れられたままだ。時折、丸焼きの鶏肉に視線を向ける鶏もいるけれど、自分の成れの果てとは思っていないようだ。鶏たちは己の運命が分かっていないに違いない。
まあ世の中には知らない方がいいこともあるから、これもそのひとつなのだろう。その一方で、カゴの向こう側で店主のふたりが、鶏の運命などどこ吹く風といった感じで暇そうに雑談をしていた。
2020年2月 動物 タイ | |
バンコク 籠 鶏・鶏肉 クロントゥーイ市場 市場 |
No
11414
撮影年月
2019年9月
投稿日
2020年02月23日
更新日
2023年09月11日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III