廣岳院に掲げられていた提灯が本堂のガラス戸に映り込んでいた

廣岳院の提灯
廣岳院の提灯
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台地の下を走る交通量の多い第一京浜と比べると、車線も少ないし地味であるものの、高輪を伸びる二本榎通りは高輪の地名の由来になっているという説もある古道だ。その説によると高輪という地名は「高台にある真っ直ぐな道」を意味する高縄手道という言葉が短くなったものなのだそう。ここでいう「高台にある真っ直ぐな道」とは二本榎通りのこと。この通りが高いところに張った縄のようだったことからそう呼ばれるようになり、次第に周辺の地名にもなったとする説があるのだ。

この説の真偽はさておき、高輪の辺りには江戸時代から諸藩の下屋敷が置かれていたのは本当だ。そのため寺院も多く建てられ、今でも寺院が多い町になっている。やって来た廣岳院もそのひとつだ。門柱が立っているだけの質素なから境内に足を進めると、すぐに本堂にたどり着いてしまうような小さなお寺だ。

本堂の玄関には提灯が下げられていて、煌々と光っていた。地味ではあるものの、実は興味深い歴史のある本堂でもある。幕末には短い期間だったとはいえ、この本堂はプロイセン領事の宿舎だったところで、幕末に外国公館として使われていた建物として唯一現存するものなのだ。幕府はプロイセン領事だったフォン・ブラントにこの廣岳院を江戸滞在中の宿舎とするよう通告したのだという。このような純和風の建物で、いかつい髭を蓄えた西洋人が寝起きしていたのを想像すると、ちょっと面白い。

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ENGLISH
2022年4月 建築 東京
入り口 提灯 反射 高輪 寺院

PHOTO DATA

No

12240

撮影年月

2022年2月

投稿日

2022年04月19日

更新日

2023年08月15日

撮影場所

高輪 / 東京

ジャンル

建築写真

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

ZEISS LOXIA 2/35

日本国内で撮影した写真とエッセイ

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