ぶら下げられた提灯の先に、何本もの腕を持つ準提観音が祀られていた

前金万興宮の準提観音
前金万興宮の準提観音
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桃園空港に降り立った僕は、そそくさと高鐵の駅に移動して南へ向かった。台湾島は九州よりやや小さい。桃園から高鐵に乗れば、南部の中心都市である高雄まではたった1時間半くらい。台湾第三の都市である高雄は思っていたよりもずっと近かった。

訪れたことのある台北や台南と同じように高雄も町中に寺院が多い。日本と違って鎮守の杜も長い参道もない寺院が多く、市街地に他の建物と混じって建っている。散策していると不意に寺院に行き当たるのだ。このときに足を踏み入れた前金万興宮という寺院もそうだった。この寺院を訪れるつもりはなかったのにふと通りかかったのだ。

台湾では寺院を訪れても、道教寺院なのか仏教寺院なのか、よくわからないことが多い(地元の人もあまり気に留めていないような気がする)。この前金万興宮はどちらなのだろうと思って調べてみると、主祭神は清水祖師とのこと。日本では馴染のない神様だ。清水祖師は北宋時代に実在した禅僧で、干ばつに見舞われた町に雨を降らせた人物として民間信仰の対象になった人物だという。道教の寺院だ。そう思いつつ、階段を上がっていくと、そこには沢山の手を持った準提観音が祀られていた。こちらは仏教の菩薩の一尊だ。やはり台湾の寺院は奥が深い。

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ENGLISH
2024年8月 静物 台湾
祭壇 仏像 高雄 提灯 寺院

PHOTO DATA

No

12632

撮影年月

2024年3月

投稿日

2024年08月17日

更新日

2024年08月18日

撮影場所

高雄 / 台湾

ジャンル

静物写真

カメラ

SONY ALPHA 7R V

レンズ

ZEISS BATIS 2/40 CF

日本国外で撮影した写真とエッセイ

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