薄暗い境内の中央に置かれていた台の上には数え切れないほどの灯籠が置かれていた。ここはジャカルタにあるVihara Aalokitesvaraという仏教寺院だ。Viharaとはインドネシア語で仏教寺院、Avalokitesvaraは観音菩薩の意味だから、ここは観音菩薩を祀っている寺院ということになる。境内の一番奥の祭壇にはその名の通り観音菩薩と思しき仏像が鎮座していたけれど、僕が気になったのはその手前にあった台の上に鎮座する仏像だった。
灯籠の置かれている台の一番上には4つの顔を持つ像が鎮座していた。これはブラフマーで、ヒンドゥー教の最高神のひとりだ。仏教国であるタイでもそうだったけれど(バンコクにあるエラワン廟はブラフマーを祀った廟だ)、ここインドネシアの仏教寺院でもヒンドゥー教の神様が祀られているのだ。もっともヒンドゥー教の神様も仏教に取り入れられているから、それほど奇異な感じは受けない。ただややこしく感じるだけだ。
仏像自体は本尊である観音菩薩の方が大きくて立派だったが、四方を灯籠で囲まれたブラフマー像もその威厳では負けてはいない。見た感じでは、こちらの方が本尊ではないかと思ってしまうくらいだ。それに顔が4つもある異形だから、柔和な顔をひとつだけ持つ観音菩薩と違って人智を超えたものがあっても、何ら不思議ではないような気がするのだった。
ちなみにブラフマーは仏教では梵天と呼ぶ。
2020年10月 町角 インドネシア | |
神 ジャカルタ 提灯 寺院 参拝客 |
No
11701
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年10月17日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
スナップ写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF