泉岳寺の山門前に地蔵がこっそりと立っていた

泉岳寺の山門と地蔵菩薩
東京の高輪にある泉岳寺で撮影
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高輪にやって来たのは泉岳寺を訪れるためだった。ここは歴史好きにはお馴染みの寺院だ。境内には忠臣蔵の浅野長矩赤穂浪士の墓所がある。主君である浅野長矩の敵討ちを江戸本所の吉良屋敷に押し入って成し遂げた浪士たちは、その後切腹となり主君とともにここに埋葬されている。

この赤穂事件は忠臣蔵として人形浄瑠璃や歌舞伎になり、大いに人気を博したのだった。面白いのは、物語では赤穂浪士は主君の仇討ちを行った義士ということになっているけれど、時の幕府は仇討とは認めず、単なる押し込みとしていることだ。当時は仇討ちという言葉の中に主君の仇を討つという意味は含まれていなかったらしい。もともとは子が親の仇を討つなど目上の親族のために復讐する事しか指していなかったのだという。このように考えると、赤穂浪士の行為は仇討には入らないことになってしまう。

山門の前には、脇にひっそりと地蔵菩薩が建っていた。左手には如意宝珠を、右手には錫杖を持っている。静かに目を閉じている地蔵菩薩は赤穂浪士の冥福を祈っているかのようだった。

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ENGLISH
2018年9月 静物 東京
地蔵 高輪 寺院

PHOTO DATA

No

10745

撮影年月

2018年1月

投稿日

2018年09月27日

更新日

2024年01月29日

撮影場所

高輪 / 東京

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA

日本国内で撮影した写真とエッセイ

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