二条城には外堀と内堀のふたつの堀が掘られていて、二の丸御殿から本丸御殿に行くには内堀を渡らねばならない。つまり二の丸御殿は外堀を渡れば行けるけれど、本丸御殿には外堀と内堀のふたつの堀を渡らなくては行けない。今の本丸御殿に建つ建物は旧桂宮邸を移築したもので徳川家の二条城とは無関係の建物であるにもかかわらず、構造上、本丸御殿の建つ場所が今でも城郭の中で最も重要になっているのだ。
内堀には本丸御殿へふたつの橋が架けられていて、写真の橋はそのうちのひとつである東橋で、橋の先に見えるのは本丸櫓門だ。徳川家康が建てたこの二条城は攻め込まれたことが無いとはいえ、実際に戦場になった時を考慮して建造されている。本丸へ通じる橋は二箇所にしか架けられていないし、その橋を渡ったところにある門には攻撃に備えて櫓が設けられているのだ。
写真の橋が木造なのも戦時に橋を落して敵が渡れないようにするためなのだそうだ。橋を落として、さらに櫓の銅板で覆われた扉を閉めて火器に備える仕組みになっている。もちろん、現代では橋を落として火器の攻撃に備えなければならないようなことにはならないだろう。橋の上の観光客ものんきに内堀を泳ぐ鯉を見下ろしていた。
2021年4月 建築 京都 | |
橋 城郭 門 京都市 |
No
11880
撮影年月
2020年2月
投稿日
2021年04月18日
更新日
2023年08月24日
撮影場所
二条城 / 京都
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF