雨降りしきる北野天満宮には思っていたよりも多くの参拝客の姿があった。浄土真宗の寺院である西本願寺や東本願寺よりもずっと多い。ここは全国に数多く存在する菅原道真を祀った天神様の中でも指折りの由緒ある神社だ。もちろん学芸成就のご利益があるとされている。雨が降っていようと新型コロナウイルスが蔓延しつつあろうと、そのご利益を求めてやってくる人は多いのだ。意識の高い人は違うのかもしれないけれど、普通の人にとっては死後に仏や菩薩の住む浄土に生まれかわるのを保証されるよりも、目前に迫っているテストで良い点数が取れる方が切実な願いに違いない。
伝統的な仏教では、現世利益を第二義的なものとしていて、現世利益中心の信仰は「ご利益信仰」と蔑称することも多いという。そのような状況と対照的に神社では現世利益に寛大だ。学業成就以外にも商売繁盛、恋愛成就、家内安全などの現世利益をご利益とし掲げている神社は多い。死後のことは仏教が、現世のことは神社が担当すると決まっているかのように見えてしまう。
2021年5月 町角 京都 | |
樽 京都市 神社 傘 参拝客 |
No
11894
撮影年月
2020年2月
投稿日
2021年05月02日
更新日
2023年08月25日
撮影場所
北野天満宮 / 京都
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF