京都御苑は人があまりおらず閑散としていたけれど、ふらふらと歩いているうちにやって来た妙顯寺も負けないくらいに閑散としていた。ここ妙顕寺は京都における日蓮宗の根本をなす寺院で大本山のひとつだ。大本山という名前からは、多くの参拝客が訪れるのを想像するけれど、総門の前から大本堂を眺めていても、参拝客の姿はひとりも見当たらなかった。境内には文字通り人っ子ひとりもいなかったのだ。
読んでいて日蓮宗の総本山は身延山久遠寺ではないかと思った人は鋭い。その通り。日蓮宗の総本山は山梨県にある身延山久遠寺だ。門徒ではない人間にはややこしいことに、日蓮宗では寺院は祖山、霊跡寺院、由緒寺院、一般寺院に4つに分類するとされている。いわゆる総本山である祖山は日蓮の遺言に従い遺骨が埋葬された祖廟がある身延山久遠寺とされ、日蓮一代の重要な事跡のある寺院は霊跡寺院、宗門史上顕著な沿革のある寺院は由緒寺院とされ、それに一般寺院が加わる構成になっている。
ここ妙顕寺は、日蓮の遺命を受け京都布教中の日像が後醍醐天皇より寺領を賜り、京都における日蓮宗最初の道場として建立した寺院だ。そのため、日蓮宗では霊跡寺院である大本山という寺格になっている。ちなみに日蓮宗に大本山は7つあり、日蓮入滅の霊場である東京池上の池上本門寺も霊跡寺院である大本山のひとつだ。
誰もいない妙顕寺の大本堂前にはひっそりと回向柱が立っているのが見えた。
2021年4月 建築 京都 | |
お堂・ホール 京都市 寺院 |
No
11885
撮影年月
2020年2月
投稿日
2021年04月23日
更新日
2023年08月25日
撮影場所
妙顕寺 / 京都
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF