誰もが自分の仕事と買い物客への対応に追われていて、活気あるローカル市場は騒々しい。お土産物屋が存在しない世界には、声を張り上げて売り口上を発している人はいても、間抜けな観光客を探す悪徳客引きはいない。僕は地元の人のフリをして平和な世界を歩いていく。台湾語は話せないけれど、黙っていれば台湾人と思われるのではないかと期待している。海外では韓国人に間違えられることが多く、ソウルではしばしば道を尋ねられた僕も、今回台湾に来るときには航空会社の人に中国人に間違われた。僕の容貌が徐々に中国化しているのではないかと思う今日この頃だ。
自分ではすっかり周囲に溶け込んでいるように思っていても端から見れば異質のようで、市場で働いている人の中にもふと僕に視線を向ける人がいる。冷静に考えてみれば、そりゃそうだ。生鮮食品売り場にいるのにカメラを片手にしているだけで、何かを買うわけでもない。明らかに買い物に訪れた客ではない。写真のおじさんも周囲から浮いている僕に気がついたひとりだ。視線にカメラを向け返すと、おじさんは満面の笑みを浮かべてくれた。
2024年9月 人びと 台湾 | |
エプロン 鶏・鶏肉 市場 笑顔 台北 |
No
12649
撮影年月
2024年3月
投稿日
2024年09月15日
撮影場所
台北 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF