市場で鶏肉を捌いている肉屋の傍らには大きな鳥籠が置かれていた。中には数羽の鶏が入れられている。もちろん、この鶏たちはペットではない。しばらくしたらすぐ近くにいる肉屋の男に捌かれることになるのだろう。ここでは生きたまま鶏を養鶏場から直接搬入しているのだ。屠殺場の類いは経由しないのだろう。捌いた後にすぐに売るのだから、この市場で売られている鶏肉は新鮮そのものに違いない。
でも、考えてみるとちょっと不思議だった。市場でも露天市でも鶏肉を捌いている肉屋の姿はあちらこちらに見える。でも、その前段階として鶏を絞めている肉屋の姿を見かけたことは一度もないし、鶏たちの断末魔の叫びを耳にしたことも一度もない。長閑な地元の市場に断末魔は似つかわしくない。それに断末魔が響き渡っていたら、長閑な雰囲気はあっという間に何処かへ飛び去ってしまうだろう。ひょっとしたら、買い物客の目の届かないところでこっそりと絞めているのかもしれない。そして、肉屋が手慣れた調子で絞めるので鶏は断末魔を上げる余裕もないのかもしれない。
2019年1月 動物 ミャンマー | |
籠 鶏・鶏肉 ヤンゴン |
No
10880
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年01月31日
更新日
2024年01月22日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA