上水道の来ていない家には水場がないだけでなく、家の中に台所もないのかもしれない。オークポースー駅の近くにある家々の間を伸びる路地を歩いていると、玄関先にしゃがんでいる女の子を見つけた。大きな木の板を目の前に置いてまな板にして、小さな包丁を手にした女の子は食材を刻んでいた。ここは屋台ではなく、民家の玄関先だ。家の中に台所がないので、即席の調理場を設けているのだろう。他の家事で忙しいお母さんに代わってこの幼い女の子が夕飯の支度をしているのだ。
まな板の上に緑色の食材が見える。ネギのように見えるけれど、何なのかはよく分からなかった。いずれにせよ、女の子は不意に現れた外国人に気が付くこともなく食材を刻んでいた。一刻でも早く支度を終えるために集中していたのかもしれない。ミャンマーの人びとは普段どのような料理を食べているのか気になるところだけれど、女の子の作る料理が完成するのはまだ先のようだ。なにせまだ食材を刻んでいる段階だったから、僕は何を作っているのか分からないままにこの場を歩き去った。
2019年6月 ミャンマー 人びと | |
俎板 食材 女の子 包丁 タナカ タニン |
No
11044
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年06月08日
更新日
2023年12月07日
撮影場所
タニン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA