ミャンマーのタニンで撮影。
家々の間を絡み合うように伸びていた路地を通り抜けると、幅の広い道へと出たのだった。道には塀が続いていて自動車が時折走っている。僕好みの路地は終わってしまったのだ。目の前の道のようにきちんと整備されている道を歩いても、面白くないことはないけれど、胸が踊るような感覚に襲われることはあまりない。そう思った僕はごちゃごちゃした住宅街の中へと戻ることにした。そして、路地に再び入ろうとした時に脇に雑貨屋があるのに気が付いたのだった。
窓が大きく開いていて、窓辺に様々なお菓子類が並べられている。天井からは使い捨てのひげ剃りがぶら下がっているのも見える。コンビニもないような田舎町にある典型的な雑貨屋だ。店先に近づいて行くと、店番をしていた女の子は僕に気が付いた。手を止めて僕を見ている。こんなところに外国人旅行者がなんでいるのだろうと不思議そうな顔をしていたのもつかの間、カメラを見て白い歯を見せながら微笑んでくれてた。丸顔の可愛らしい女の子だった。