帰りこそ海を渡る渡船に乗ろうと思っていたものの、都合のいい時間のフェリーがなく、結局帰りも渡船には乗れなかった。僕は城ヶ島渡船に縁がないようだ。来るときにはバスであっという間に渡りきってしまう城ヶ島大橋も、歩いて渡ると大きくて長い。渡ってすぐに海辺に行くには、長い階段を下らなければならなかった。
三崎港の繁華街に向かって、海辺を歩いていく。直線的に向かえればすぐにたどり着いてしまう距離なのだけれど、入り組んだ海岸線がそうはさせてくれない。港というか船溜まりというか、どちらが相応しいのかよくわからないけれど、護岸された海辺に漁船が係留されている湾になったところを歩いていた。
ほとんどの漁船には人影がなく、船だけが波に揺られてるだけの中、珍しく人が乗っている漁船があった。日差し避けの下に腰掛けた男の前にはまな板が置かれている。男はさかなをさばいていた。のどかな昼下がり、酒の肴でも作っているのかと思って声を掛けると、「違うよ、魚の餌だよ」と言われた。僕が醤油をつけて食べても美味しいと思うような魚の餌だった。
2024年4月 神奈川 人びと | |
俎板 漁師 漁船 包丁 三浦 |
No
12582
撮影年月
2023年8月
投稿日
2024年04月20日
撮影場所
三浦 / 神奈川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF