特に目的もなく線路の上を歩いていた。線路の両脇には食材など様々なものが並べられている。ここは線路の上に開かれた市場だった。食材を買い求めにやって来た訳ではない僕は、ただ眺めるだけで何も買うつもりはない。僕は写真にも写っている線路の上を列車が走り抜けるのを待っているのだった。この市場は時折真中を列車が通り抜けることで有名なのだ。僕は列車が来る時間をじっと待っていた。しかしながら、見ている鍋はなかなか煮えない。列車はなかなかやって来ないのだった。線路に沿って細長く伸びる市場を、何度も行ったり来たりして時間を潰している。
そうこうしているうちに、線路の上を向こうからやって来るものが見えた。残念なことに列車ではない。ひとりの女性だった。地元の人のようだ。片手にビニール袋を持って、暢気に線路の上を歩いている。夕食の食材でも買いに来たのだろう。女性は僕の姿を見ることもなく、スタスタと僕の脇をすり抜けていった。
2018年7月 人びと タイ | |
エプロン 縁のある帽子 メークロン 線路 傘 女性 |
No
10642
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年07月10日
更新日
2024年02月08日
撮影場所
メークロン線路市場 / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA