メークロン線路市場に入ってきた列車に観光客が一斉にカメラを向けていた

ついにメークロン線路市場の線路を列車が走る時間がやって来た。細長い市場の中を歩いていると、突如としてアナウンスが響き渡る。タイ語でのアナウンスなので何を言っているのかは分からなくとも、これが列車の到着を知らせるアナウンスであることはすぐに分かった。

市場で働いている人たちがアナウンスを合図に重い腰を上げている。線路上に出した庇を仕舞い、店頭に並べた商品が列車に轢かれてしまわないように片付け始めていた。否が応でも胸が高鳴ってくる。線路の上にあったものはすっかり片付けられると、そこに立っているのは僕のような観光客だけになった。地元の人はお店の中で静かに列車が走り抜けるのを待っているようだ。毎日のことだから特に興味はないのだろう。写真の右端にも、つまらなそうに列車が通り過ぎるのを待っている男が写っている。

しばらくすると線路の向こうに列車が現れた。列車はものすごくゆっくり走っている。駅に近いというのもあるけれど、これだけ密集した場所をスピードを出して走り抜けるのは危険すぎるのだ。線路の脇にはお店だけでなく、大勢の見物客が立っている。

列車は立ち並ぶお店の間をすり抜けるように向かって来た。市場の中を列車が走る抜けるこの光景を見に来た僕は大満足だ。よく見てみると線路のすぐ脇にのけられていない果物が残っているものの、お店の人は気に留めていない。これは列車の下をくぐるようにして通過するのでそのままで問題ないのだった。

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