列車がやって来るまで時間がまだあるので、引き続き駅の直ぐ側にある市場の中をウロウロと徘徊していた。静けさに包まれた市場の中は閑散としていて、人びとがところどころで黙々と仕事をしている。この市場が賑わうのはどの時間帯なのだろう。昼過ぎの市場は穏やかだけれど、早朝や地元の人が夕食の準備をする夕暮れ時になると信じられないくらい混雑するのかもしれない。そんなことを考えながら歩いていると、通りがかった魚屋の中で働いている女性の姿が目に入ってきたのだった。
テーブルの上にはプラスチックの桶が置かれていて、中には魚が横たえられている。この女性もやはり桶の中で魚を捌くようだ。他の場所で見かけた魚屋もやはり桶の中で魚を捌いていた。この辺りでは一般的なやり方なのかもしれない。ちなみに中にある魚はヒラメのような平べったい魚だった。
人が働いているのを眺めるのが好きな僕は、捌く姿を眺めようと女性の前に立ち止まった。もちろん、女性はすぐに僕に気がつく。何せ他に客の姿はないのだから。そして、女性は僕を指差しながら大笑いし始めた。僕は女性を笑わせようと何かをしたつもりはない。ただただカメラを片手に立ち止まっただけだ。けれども、その挙動は女性のツボにはまったようだった。何が女性をそこまで笑わせたのかは今になっても分からない。
2018年7月 人びと タイ | |
エプロン 魚 包丁 笑い メークロン 女性 |
No
10637
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年07月07日
更新日
2024年02月08日
撮影場所
メークロン / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA