メークロン線路市場に列車が近づいてきていることを知らすアナウンスが流れると、のどかな市場はちょっとだけ忙しいものになる。線路脇に店を出していた店主たちはいそいそと店じまいを始め、並べてあった商品を線路からどけ始めるのだ。
店主たちにとっては毎日の定例行事だ。みな面倒くさそうに動いている。なんだか線路は列車が通るために敷かれているのに、市場の方が主役だと思っているかのようだ。屋根を仕舞い、列車の邪魔にならないように商品を奥に引っ込めて、店主たちは店の端に腰を下ろして列車が通り過ぎるのを待っている。僕のような観光客とは違って、やって来る列車には見向きもしない。じっとしたまま、何事もなかったかのようにやり過ごすのだ。
列車も店主たちも慣れたもので、商品の中には線路の脇に放置されたままのものもあった。そこにあっても、列車の下をくぐるだけで大丈夫だと見切られているのだ。列車はゴチャゴチャとした線路の上を終着駅であるメークロン駅にゆっくりと向かっていった。
2020年3月 タイ 乗り物 | |
メークロン メークロン線路市場 市場 線路 店主 列車 |
No
11444
撮影年月
2019年9月
投稿日
2020年03月15日
更新日
2024年02月07日
撮影場所
メークロン線路市場 / タイ
ジャンル
鉄道写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA