メークロンにある静まり返った市場を抜けると、出口のところに屋台が出ていた。鉄板の備え付けらたワゴンが出ている。そして、鉄板の前には年配の女性が立っていた。ちょうど、鉄板の上に生地を薄く伸ばして載せているところだった。女性はカノム・ブアンというお菓子を作っているのだった。鉄板の上には薄く延ばした生地が幾つも見える。
カノム・プアンはクリスピーでクレープに似た食べ物だ。タイではごくごく一般的なもので、町の到るところで売られている。写真を見て分かる通り、作り方といいい、形といい、とてもクレープに似ている。そのため、フランス発祥のクレープと何らかの関連があるのではないかという人もいるくらいだ。
僕にはそれがどれほど信憑性のある話なのかは分からない。少なくともスコータイ王朝時代にはもうタイで食されていたと言うから関連はないのではないかとも思う。なんでもヨーロッパのものと関連付けてしまうのはヨーロッパ中心主義だとも感じてしまうのだ。
いずれにしても、重要なことはただひとつ。カノム・ブアンは美味しいということだ。
カノム・ブアンは、タイ料理の一つで、クリスピーなクレープに似た食べ物である。昔からのタイのデザートで、タイでは人気のある屋台料理である。タコスにも似ている。具材としては、最初にココナッツクリームを入れ、削ったココナッツ、鶏卵素麺や刻んだタマネギ等のトッピングを乗せる。カノム・ブアンは、タイではアユタヤ時代からデザートとして食べられている。Khun Luang ha watによると、その当時、ベトナムのカノム・ブアンはまだタイに入っておらず、両者に違いはなかったと書かれている。しかし、Dhammaboodpadad中のある話では、カノム・ブアンはスコータイ時代にインドとブラフマニズムからタイに入ってきたものであると書かれている。さらに、多くの人は、カノム・ブアンはフランスのクレープと関連していると推測している。
No
11450
撮影年月
2019年9月
投稿日
2020年03月19日
撮影場所
メークロン / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III
モノクロの写真を108枚掲載。もちろんKINDLE UNLIMITEDでも読めます。