通路の隅で猫が無防備に横になって熟睡していた

地元の人が大勢この市場にやって来て食材を買い求めている。しかし、食料を求めてやって来るのは人間ばかりではなかった。動物もやはり食材を求めてやって来るのだ。ここには沢山の食材が並んでいるし、うまくやれば面倒な狩りを行うこと無く餌にありつける。動物にとっては天国のようなものだろう。もっとも、写真の猫に今でも狩りを行うような本能が残っているのかどうかは疑問だけれど。

猫は手足を伸ばして通路の端で寝ていた。すっかり弛緩して熟睡しているように見える。その証拠に、僕が近付いてカメラを構えても、シャッターの音にピクリとも反応することはなかった。幸いなことにこの辺りには猫の天敵になるようなものはいないけれど、もし襲われたな無防備に寝ている猫はひとたまりもないだろう。ここは市場という人間が作り上げた人工物の中だ。このような平和でのんびりした境遇を手に入れることが、猫族が人間のペットになった本当の理由に違いない。

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