沢山の籠が地面に置かれていた。どの籠の中にも野菜が入っている。ここはバンコクにあるクロントゥーイ市場にある八百屋の一角だ。籠の中の野菜は搬入されて来たままのようで、これから店頭に並べられるのだろう。籠と籠の間にはゴミが散らかっている。そして、その先に女性が立っているのが見えた。何をする訳でもなく、重ねられた籠に手を突きながら佇んでいた。虚ろな視線は店内を漂っている。見たところ、女性は脱力感に苛まれているようだった。いつ終わるとも分からない、大量の野菜を品出しなければならないのだろう。
眺めていると女性の気持ちが分かるような気がした。僕だって、目の前に片付けなければならない仕事が山積みになっていたら、女性と同じような虚ろな表情になること請け合いだ。そして、その状況をどうやってやり過ごせば良いのか分からなくて途方に暮れることだろう。幸か不幸か、そのような状況を時間が解決してくれることはほとんどない。コツコツと仕事を進めるしかないのだけれど、それが難しい。困ったものだ。
2018年4月 人びと タイ | |
エプロン バンコク 籠 八百屋 クロントゥーイ市場 女性 |
No
10541
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年04月30日
更新日
2024年02月17日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA