タイのバンコクにあるパーククローン花市場で撮影。
市場の中を歩き回っているうちに八百屋の前へとやって来た。中では女性たちが床に腰を下ろして働いているのが見える。女性たちの前には幾つも籠が置いてあって、どれもこれも唐辛子でいっぱいになっている。籠の中だけではない。床の上にも唐辛子は山積みになっていた。この八百屋の主力商品は唐辛子のようだ。女性たちは大量の唐辛子を手で選り分けていた。大きさなどで分けているのだろうか。
誰もが黙々と手を動かしている。店内は静かだった。タイ料理では唐辛子は必須の調味料だから、日々の取扱量もかなり大きいに違いない。一言も喋らず働いている女性たちの向こうには、亡くなった前国王の肖像が掲げられていた。首からカメラをぶら下げている。ラーマ9世はキヤノン製のカメラを愛用していたと言うから、首から下げているカメラはキヤノンのものなのだろう。それにしても前国王の人気は絶大だ。前国王の人気に比べると、現国王の人気はあまりないように見えるのが気になるところだ。