どのお店にも商品がところ狭しと置かれている。このクロントゥーイ市場は広大だから、かなりの量の食材がここで商われていることになる。当然買いに来る人も大勢いるのだけれど、僕が来たのは午後だったからもう喧騒は過ぎ去った後のようだ。市場の通路には長閑な空気が漂っている。お店の人たちはのんびりと暑い午後をやり過ごしていて、並べられている商品も静かに買ってくれる人が現れるのを待っていた。店先にはパラソルが幾つも立っている。買い物に訪れた人たちはその下に出来た日陰の中を行き来している。
通路の真中に立ち止まってカメラを構えると、通路の先を男が横切っているのが見えた。帽子を被って目立つオレンジ色のベストを着ている。そして、男は大きな籠を牽いていた。最初、男は市場内に散乱しているゴミを集めている清掃人だと思っていたけれど、どうやら違うようだ。男はクーリエだ。ここにやって来るのは仕事で仕入れに来る人が多く、そのような人たちは大量の食材を一度に購入している。ひとりでは到底運べないような量だ。そこで男の出番なのだ。男は客が買い求めた食材を大きな籠の中に入れて代わりに運んであげるのだった。
2018年4月 町角 タイ | |
バンコク クロントゥーイ市場 市場 通路 傘 |
No
10542
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年04月30日
更新日
2024年02月17日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA