クロントゥーイ市場の一角で営業していた八百屋には長閑な時間が流れていた。一日の中で忙しい時間はもう過ぎ去ってしまったようで、買いに訪れる人はほとんどいない。店員たちはのんびりとしている。じっと暑さに耐えながら、客が来るのをじっとまっているのだった。お店はとても静かだった。
この店内にはふたりの姿が見える。ひとりは店の奥の方で椅子に腰掛けていて、もうひとりは店先で野菜の入った籠に寄りかかっている。籠の中の野菜には袋詰されているのも見えるから、客のために取り置きしている商品なのかもしれない。奥にいる男は無表情で、僕が店の中を見渡していることなどには全く関心が無いようだった。それとは対照的に、店先にいた老婆は僕に興味津々だ。カメラを抱えている僕をニコニコしながら見詰めている。老婆は首から幾つもプラクルアンというお守りを下げていた。ひとつでは満足できないのだろう。これだけお守りをぶら下げていたら、ご利益も幾つも得られるに違いない。
2018年5月 人びと タイ | |
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No
10548
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年05月05日
更新日
2024年02月17日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA