七堂伽藍というと単に多くの建築物を抱える大きな寺院を指す場合もあるけれど、ここ奥沢にある淨眞寺、通称九品仏の境内には文字通り7つの伽藍が建っている。正確に言うと、総門・閻魔堂・山門・鐘楼・開山堂・観音堂・本堂・三仏堂・書院・食堂などが建っているから7つ以上だ。
淨眞寺の伽藍はそれぞれ立派なだけでなく、その配置もユニークだ。1793年建立の山門を抜けて真っすぐ歩いていくと釈迦牟尼仏が安置されている本堂に辿り着くのかと思いきや、そうではない。その小道は本堂の脇を通り抜けて下品堂という三体の阿弥陀如来像が安置されているお堂へ続いている。通り過ぎてしまった本堂は下品堂を前にして立つと背後にある。山門をくぐる参道と本堂が同じように西に向くように造られているためだ。
淨眞寺の属する浄土宗では「人は亡くなると極楽浄土に行く」と信じられている。極楽浄土は西方にあると考えられているので、参道は西に向かって伸びていて、本堂も現世側から西を向いて建てられている。本堂から見た西側に建てられた三仏堂は極楽浄土側にあり、中に鎮座する阿弥陀如来が極楽浄土で迎えてくれることを表しているのだという。このユニークな伽藍の配置は極楽浄土の世界観に則っているのだ。
2022年2月 人びと 東京 | |
女の子 香炉 奥沢 寺院 |
No
12164
撮影年月
2021年12月
投稿日
2022年02月02日
更新日
2024年01月17日
撮影場所
奥沢 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35