ジャカルタにある金徳院の境内には大きな香炉が置かれていた。線香の灰でいっぱいになった香炉の側面には恐ろしい顔が彫られていた。これは獅子と同一視されることも多いけれど、正確には獅子ではなく、狻猊と呼ばれる中国の想像上の生き物らしい。でも、何がどう獅子と違うのかはよく分からない。ミステリアスな方が不気味だし、何か力があるような気がするから好都合なのかもしれない。
恐ろしい形相の付いた香炉の中には何本もの線香を突き立てられていた。東南アジアで見かける線香は、日本で一般的に目にする線香よりもずっと長い。そして、赤く塗られている。お供え物はロウソクも線香もどちらも赤い塗られているのだった。
香炉の周りには次から次へと参拝客がやってきて、思い思いに火の点いた線香を香炉の中に突き刺していく。そうこうしていると、赤いワンピースをまとった女性もやってきて、香炉の横に立ち止まると他の人と同じ様に線香を香炉の中に突き刺していた。
よく見てみると、この女性は着ている服が赤いだけでなく、肩から下げているバッグも深紅のものだった。赤いバッグを持った、赤いワンピースを着た女性が、赤い線香を供えている。いくら赤という色が中華文化では吉兆と財運を象徴しているとはいえ、ちょっと好きすぎではなかろうか。
2020年6月 インドネシア 人びと | |
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No
11569
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年06月17日
更新日
2023年08月07日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF