旧バタヴィアの中を歩いていた。ジャカルタの旧市街とはいえ、町の全てが旧態依然としている訳ではない。というより、ほとんどの場所は至って普通の町並みだ。古い町並みというのは観光する人間にとってはいいけれど、住んでいる人にはあまり優しいものではない。大抵の場合、古いままになっている町並みは、インフラもやはり古いままなのだからだ。
今歩いているところも、旧市街らしさがある訳でもなく、かといって近代的な建物がある訳でもなく、何の変哲もない場所だった。板打ちされた壁が続いていて、仮設の住居のようだった。壁の前には植木もなく、寂しい。そのような中、壁に掛けられた赤いワンピースがひときわ目を惹いていた。文字通り、紅一点という様子だった。
洗いざらしなのだろう。風が吹く度にワンピースは舞っていた。右に左に踊っているものの、周りには何もなく踊っているのは赤いワンピースだけだ。横にある扉のところには女性が立っているのが見えるのだけれど、ワンピースに調子を合わせる気は全く感じられなかった。
2020年5月 町角 インドネシア | |
バック・ショット ジャカルタ ワンピース 赤 壁 |
No
11531
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年05月18日
更新日
2023年09月04日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF