ジャカルタにある金徳院の境内には大きな香炉が置かれていた。そして、脇には燭台が置かれていた。春節が近いからだろう。燭台の上には何本もの赤いロウソクが立てられていた。火の点いたロウソクは徐々に短くなっていくのだけれど、無くなるよりも参拝客が新たにロウソクを立てていくペースの方がずっと早い。ちょっと放って置くと、燭台の上はロウソクでいっぱいになってしまうのだ。ああ、ロウソクを立てるスペースが無いと思っていると、どこからともなく寺院の人が現れた。短くなったロウソクを除けて、新たにロウソクを立てるスペースを作ってくれるのだった。
写真に写っている赤いポロシャツの男が、そのような役目を担っている人だった。片手に長い線香を何本も持ちながら、もう一方の手でロウソクを器用に片付けていた。燭台の上にあるロウソクはどれもこれも赤く、ロウソクを片付けている男の着ている服も赤いものだった。そもそも寺院全体が赤を基調にしている。中国文化において、赤は伝統的に吉兆と財運を意味するのだ。
中華人民共和国が国旗を赤を基調にしているのは、赤が資本家と労働者の階級闘争のシンボルになっているだけでなく、吉兆と財運の色でもあるからかもしれない。
2020年6月 インドネシア 人びと | |
蝋燭 中華街 ジャカルタ ポロシャツ 赤 寺院 |
No
11568
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年06月16日
更新日
2020年09月09日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF