龍山寺のご本尊は観音菩薩だ。ということは仏教のお寺ということになるのだけれど、狭い境内の中には他にも様々な神様が祀られている。ここは仏教と道教などの土着の宗教の習合が起きているのだ。お参りする方からしてみると、神様が仏教のものだろうと道教のものだろうと御利益さえあればどうでもいいのだろう。
境内にはあちらこちらに祭壇が設けられていて、それぞれに別の神様が祀られている。それぞれが異なる御利益を謳っているようで、参拝に訪れた人たちはそれぞれ求めている御利益を得られる神様の前でお参りしている。
ウロウロと境内を歩いていて、やってきた祭壇の前にも目を閉じてお参りしている参拝客の姿があった。真剣にお参りしている人びとの姿を見ていると、この人たちは何をお祈りしているのか気になってしまう。祀られている神様ごとに御利益が異なるとはいえ、祭壇にその御利益が書いてある訳でもない。そのため、余所者にはどの神様がどのような御利益を謳っているのか判断するのは難しい。でも、地元の人には自明のことのようで、境内に入ってきた地元の人たちは迷うことなく目的の神様の前に赴いているように見えた。
No
11265
撮影年月
2019年7月
投稿日
2019年11月04日
撮影場所
台北 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85